著者
奥 喜正 内桶 誠二
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.33-43, 2005-03
著者
本村 猛能 内桶 誠二
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.1-14, 2004-01

最近,大学への専門高校からの進学率が高まっており,従来の普通高校を前提とした情報教育の内容ばかりでなく,様々な形態の高校教育を考慮したカリキュラムを考えることが必要になってきた。また,同時に教科「情報」の免許取得にあたり,その対象学部・学科でも,平成14年度以降専門高校生の割合が高まっている。そこで本研究では,現在大学で実践されている一般(共通教育)課程での情報教育と,高等学校・専門高校の情報に関する学習内容を比較することで,今後の大学情報教育の在り方について検討することを目的とした。検討の結果,大学情報教育では,各種ソフト活用による日常利用するプレゼンテーション技能の向上に力点が置かれ,その面で専門高校,中でも商業系,工業系出身の生徒にとっては動機付けは高い。ただし,普通科出身の生徒の技能が初期レベルのため,現状では教育内容およびカリキュラムの不十分さが認められた。つまり,情報に関する能力として,大学では,情報社会や倫理といった「教養」教育は努力されているものの,アルゴリズムなどの「知識」は不足がちであり,高校では,情報に関する技能として,ソフト操作やパソコン操作といった「利用技術」教育は努力されているものの,問題解決能力などの「構成力」は不足がちである。具体的には,今後の情報教育の内容は,指導する学生数や個人差に応じた教育,技能とコンピュータ等メディア活用技術を十分検討する必要性があることがわかった。今後,これらの必要性の意味と,専門高校の実践で認められた情報教育の「基礎・基本の徹底,理論と実践の関連,創造性重視」の関連性,および高等学校と大学との系統的なカリキュラムについて検証していかなければならない。