著者
冨久 保男
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.64-68, 1976-09-25

1)わが国では,ホテfアオイの栄養繁殖は知られているが,種子繁殖の実態ははっきりしていない。そこで,実生個体の形態を観察するとともに,若干の生育環境についても検討した。2)第5葉前後までの葉はぺべ状の細い葉である。その後展開する葉は先端がやや膨れ,第8〜9葉からは,一般に栄養繁殖個体でみられるように,葉柄は膨大して葉身は倒卵形を呈する。3)!0〜15cmの冠水下の土壌面で生育した場合は,葉柄が膨大しはじめる第8〜9葉以後になると,根が腐って水面に浮いて生育する。4)土中に根を下している時はほとんど側根を認めないが,水面に浮くと側根の発生や伸長が旺盛となる。