著者
山永 裕明 中西 亮二 今村 重洋 出田 透 浅山 滉
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.79-85, 1985-03-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
22

被殻出血患者33例についてCT所見を中心として上肢,歩行機能,失語症,ADLについて予後の検討を行った.その結果,(1)実用手に15.1%しかならず上肢機能の予後は悪かった.(2)57.6%が独歩となり,観血群で38.5%,保存群70%と後者が有意に独歩になりやすかった.(3)独歩群の年齢は52.5±12.4歳,非独歩群は60.6±6.7歳で前者が有意に年齢が低かった.(4)観血群では,独歩群39.6±12.7歳,非独歩群59.9±6.2歳で前者が有意に年齢が低かった.(5)尿失禁があると有意に独歩率が低かった.(6)27.2%に失語症を認めた.(7)ADLと移動能力の間に有意の相関を認めた.(8)CT上,内包後脚に影響ない例の予後は良好だが,他はCTのみで予後判定は困難であった.