著者
劔 実夫 今村 州男 馬場 孝 伊良部 光男
出版者
THE SOCIRETY OF RUBBER SCIENCE AND TECHNOLOGYY, JAPAN
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.636-641, 1967

各種市販有機ゴム薬品 (酸化防止剤, 加硫促進剤等) をBRおよびSBR-イオウ加硫系に配合した加硫物, およびそれら薬品を含まないBR-オキシム, 過酸化物加硫物 (いづれもHAF配合) をCo-60γ線で照射し, 前報と同様にその放射線劣化防止能力について検討した。その結果次のことがわかった。<BR>1) BR加硫物は1×10<SUP>8</SUP>γで, SBR加硫物は5×10<SUP>7</SUP>γで急激に100%引張応力が増加し, 典型的な橋かけ型ポリマーであることがわかった.<BR>2) アンチラッドを添加するとその性質は若干改善されるがアンチラッドを添加した際でもBRは5×10<SUP>7</SUP>γ~1×10<SUP>8</SUP>γで, SBRは1×10<SUP>8</SUP>~5×10<SUP>8</SUP>γで急激に機械的性質は低下した.<BR>3) 一般にアンチラッドを添加した場合その効果がNRの場合に比して顕著であった.<BR>4) 窒素中と空気中照射の100%引張応力の変化率に大きな差はなかった.<BR>5) BRのイオウ加硫物に対してGMF加硫物Dicup加硫物はNRのそれと同じ傾向を示していることがわかった。