1 0 0 0 OA 絵本舞台扇

著者
勝川春章,一筆斎文調//画
出版者
雁金屋伊兵衛
巻号頁・発行日
1770

書名は序文の版心による。序によれば、摂陽の西鶴孫東鶴なる人物が、江戸の歌舞伎の盛況を故郷に知らせるために作成を依頼し、役者似顔絵の名手一筆斎文調と勝川春章が、扇面形枠内に役者を描いた彩色摺絵本。「明和7年庚寅年孟春」の刊記をもつ初版本と、「孟春」の字を削去して同年末に刊行した再版本が知られているが、当館本は、この「孟春」を欠くうえに末尾に付された俳句3丁分も欠落していること、また役者の名前のうち改名し襲名披露した者の名が既に改められていること等から、再版本であることが分かる。3巻合1冊の改装本。本書は、役者の写実的似顔絵を彩色摺で大規模に集成した最初の画集として、また、当時の一枚摺錦絵の似顔判定のための好資料として重要視されており、風俗絵巻図画刊行会から複製が出されている。