- 著者
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北川拓
新井イスマイル
- 雑誌
- 研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)
- 巻号頁・発行日
- vol.2013, no.11, pp.1-8, 2013-03-07
スマートフォンの普及に伴い屋内ナビゲーションの需要が高まっているが,屋内では GPS が利用できず,それに代わる測位手法が確立されてないため普及に至っていない.そこで本研究では,数ある屋内測位手法の中からデッドレコニングを選択し,その課題として方位推定に着目した.既存の手法では加速度・地磁気センサを用いて方位推定を行なっているが,屋内では鉄筋の帯磁や電気機器の磁気作用等が原因で実用的な方位推定ができない.そこで本研究では,近年スマートフォンに標準搭載されつつあるジャイロセンサを用いることでこの方位推定精度の向上を目指す.提案手法の概要として,スマートフォン内蔵センサ特有のノイズに対してはローパスフィルタを適用することで対処し,ジャイロセンサのオフセット誤差については歩行者の直進状態を検出し,その期間の角速度値を 0 に補正することで誤差の軽減を図る.大阪・梅田周辺地下街で測位実験した結果,加速度・地磁気センサを用いる既存手法に対しては 24 %,角速度データを補正せず積分する手法に対しては 81 %の方位推定精度の向上が得られた.