著者
北村 一男
出版者
The Society of Agricultural Meteorology of Japan
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.151-156, 1969

(1) プラスチックハウスを, 通風管を通る温風で暖房する場合のハウス内気温を時間・ハウス内の位置の関数として熱収支法で解板した。<br>(2) 解析から, ハウス内気温の場所による温度差は時間の経過に影響を受けないことがわかる。<br>(3) 埼玉園試のハウスについて理論式から計算した値と, 実際に観測した値を比較した場合, 両方の値はかなり接近していた。<br>(4) 送風機の風量が小さいと暖房機に近い所が高温になり, 逆に送風機の風量が大きいと通風管の放出端の近くが高温になる。埼玉園試の面積408平方米のファイロンハウスでは風量が中間の場合にハウス内温度差が小さくなると計算された。風量が大きい程ハウス内の温度差が小さくならなかつた。<br>(5) カーテンの熱伝達率が小さい場合について計算してみると, 暖房機の発熱量・送風量が共に小さくとも, ハウス内気温は高温になりしかも温度差も小さくなつた。