著者
成田 裕一郎 千馬 誠悦
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.66-69, 2017 (Released:2019-06-05)
参考文献数
9

目的:小児上腕骨内側上顆骨折に対してcannulated cancellous screw(以下CCS)を用いて骨接合を行った10例10肘について検討した. 対象と方法:男8女2,右1左9,平均年齢13歳で,Watson-Jones分類でtype IIが4,type IVが6であった.手術は3.5ないし4.0mm径のCCSを用いて行い,術後は2週間のギプス固定の後,可動域訓練を行った. 結果:8例で初回手術後に骨癒合が得られたが,2例で再手術を要した.骨片が破損して再転位しtension band wiring法で再骨接合したのが1例,偽関節となり掻爬して海綿骨および骨釘移植を行ったのが1例でいずれも骨癒合が得られた.全例でスポーツに復帰し,JOA-JES scoreは平均98.8点であった. 考察:本法は,簡便で強固な固定性が期待される一方,スクリューによる骨片の破損,圧着不足による偽関節を生じる可能性があり,適応と手技に注意して行う必要がある.