著者
半澤 映拓 菊池 浩明
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.918-925, 2019-10-14

Residential IP Proxyは,住宅用ネットワークのホストを利用したトラフィック中継を提供するプロキシサービスである.サービスを提供している事業者はホストが自発的にサービスに参加して良質な各種応用に利用されていると主張しているが,実際のところは,良性なユーザとして振る舞うことで検出やブロッキングを回避し,DoS攻撃などの不正行為に悪用されているのが明らかになっていた.Miらは2019年にResidential IP Proxyサービスに参加するホストによる不正行為を指摘し,ホストの探索とプロファイルを行い,Residential IP Proxyサービスの基盤,規模,悪性を明らかにした.本研究では,Miらが収集したResidential IP Proxyに参加するホストのデータセットを解析し,情報通信研究機構の提供する分析基盤NONSTOPを用いて,Residential IP Proxyが国内のインターネットで行っている通信についての調査を結果を報告する.解析結果に基づき, Residential IP Proxyが日本のネットワークにもたらす脅威について明らかにする.