著者
南 不二雄 井上 久遠
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.455-462, 1995-06-05

入射光の2倍のエネルギーが物質の励起エネルギーに共鳴(2光子共鳴)した際に,最低次の非線形光学過程である光第2高調波発生(SHG)現象は顕著な増大効果を示す.特に,非共鳴なSHGが発生しない偏光配置(禁制配置)では,SHGの共鳴増大効果がより顕著に観測できる.ここでは,半導体中でのSHG共鳴効果を偏光禁制配置で調べた例を解説し,この現象が半導体を調べる新しい,優れた分光方法を与えてくれることを示す.