著者
古岡 俊之 Toshiyuki FURUOKA
雑誌
学校教育センター年報 (ISSN:2432258X)
巻号頁・発行日
no.2, pp.45-59, 2017-03-01

西宮市立小学校の「学校要覧」平成20 年度版に掲載されている「校歌」を利用して,西宮市の公立小学校の校歌にうたわれている山と川について,特に地理的分布について検討した。この結果,山については六甲山,甲山のように地域を代表するような周囲から高く突き出した,目立った山が取り上げられ,取り上げられている山の数は少ない。これに対して,川は身近な自然として取り上げられる傾向にあり,したがって小学校に近接した川がうたわれる。武庫川はその好例である。環境教育の視点から教材化を期待している。脈々とうたい継がれてきた校歌は,児童に校区周辺の自然環境への関心や意識を高めているものと思われる。校歌詞の中から,山・川のみに限らず,児童の身の回りの環境にわたり,自然的・人文的環境の言葉を広く求めて,人々の生活とその地域の自然・風土とが深くかかわりあっていることを環境教育に生かしていきたいと考える。