著者
吉田 達成 岡田 忠司 保母 敏行
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.917-926, 1999-10-05
被引用文献数
1 3

前報において, アミド, ジオール及びシリカカラムを用いる水系順相法によるべプチド分離法を報告した. 今回, ベプチドの分離の保持機構を明らかにするために, ペプチドを構成する各アミノ酸の保持への貢献度を定量した. 本論文では, その貢献度を親水性保持係数 (hydrophilicity retention coefficients) として表現した.0.2%トリフルオロ酢酸+0.2%トリメチルアミンを添加したアセトニトリル-水系移動相を用い, アミド, ジオール, 及びシリカカラムの各カラムにおける121のべプチドの保持時間を検討した. 得られたデータを用いてシリカカラムに対しては, 線形回帰分析にて, アミド及びジオールカラムに対しては, 非線形回帰分析にて親水性保持係数を算出した. 各カラムにおける一組の親水性保持係数は, アミノ酸の保持の貢献への度合いをうまく説明した.