著者
喜多 泰子 西條 秀俊
出版者
Japan ART
雑誌
J-APT学会論文集
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-16, 2012-07

日本の大学のキャリア教育では自己理解を促し、自分らしい生き方を考えさせることを目的の一つとしている。そのため、今までの自分を肯定し、これからの生き方を前向きにとらえさせるために、自尊感情を醸成することが重要である。そこで、本研究においては、MBTIを導入することで大学生の自尊感情が高まるのか、高まるとすればどのような属性の学生に対して効果的なのか、自尊感情尺度を用い、定量的に分析を行った。結果として、MBTIの実施前とFB後では自尊感情尺が高まったことが認められた。因子分析したところ消極的自尊感情、プラス思考型自尊感情、現状肯定型自尊感情の3因子が抽出され、特にプラス志向型自尊感情ののびが大きかった。さらに、男女別、学部別に分析したところ、どの属性にも有効であったが、その違いに有意さは見られなかった。認定ユーザー別に分析したところ、それぞれに自尊感情の高まりはあったが、因子による違いがみられ、認定ユーザーのFBによって自尊感情の伸びや影響をあたえる感情の質の違いが生じることがわかった。