著者
真田 将幸 嘉数 直人
出版者
一般社団法人 日本糖尿病理学療法学会
雑誌
日本糖尿病理学療法学雑誌 (ISSN:24366544)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.103-114, 2022 (Released:2022-03-21)
参考文献数
27

【目的】短時間の実施で効果が期待できるトレーニング法であるHigh Intensity Interval Training(以下,HIIT)に関する事と,当院で実施している糖尿病患者に対する新しい運動療法の試みについて紹介すること. 【HIITの有効性】健常人や疾患を有する患者を対象に時間的効率性,継続性,有効性,glucose transporter type 4(以下,GLUT4)への関与などの先行研究を閲覧した結果,中等度負荷の持続運動と比較し,より短時間で最大酸素摂取量,ミトコンドリア,GLUT4を増やし,運動の楽しさや継続性が高く,血糖コントロールに優れたトレーニング法であることが示唆された. 【当院におけるHIITの取り組み】当院外来通院中の糖尿病患者を対象にしたセミパーソナルジムを保険外診療にて実施している.内容は,実質のトレーニング時間が7分30秒間のHIITの実施と共に,運動と栄養に関する双方の指導を理学療法士が実施している.参加者からは,「しんどいけど楽しい」,「参加してから血液検査の結果が良くなっている」,「血圧が下がった」,「歩きやすくなった」,「間食しないようになった」などの声が上がっている. 【考察】HIITは短時間の運動で健康上の利益が得られるために,忙しくて運動できない糖尿病患者への運動指導にも用いることができると考える.