- 著者
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松尾 哲夫
園田 真治
- 出版者
- 公益社団法人精密工学会
- 雑誌
- 精密機械 (ISSN:03743543)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.8, pp.938-943, 1981-08-05
前報ではS55C鋼を用いて最高35kgfのスナッギング研削モデル実験を遂行し, 各砥石の研削性能を比較した.本研究では新たに32A, ZN砥石を加えた計7種類のレジノイド砥石についてSUS304,SUS430,およびSUJ2鋼に対する同様の研削実験を実施し, 各砥石の性能を比較した.その結果, 先のS55C鋼の場合に比べて削除率の砥石依存性は比較的大きく, 砥石損耗速度は同様に砥石種類によって著しく影響される.また, 同一被削材では一般的傾向として削除率の高い砥石ほど砥石損耗速度は高い.32A砥石は全般的に最高の削除率を示すが, 砥石損耗速度がそれ以上に高くなるので, 結果として研削比は最低となる.この原因は研削中の激しい砥粒の破砕による.ジルコニア系砥石の削除率は必ずしも高くはないが, 研削比の点から優れている.特に, SUS304鋼に対してはZS砥石よりZN砥石が望ましい.同一削除率に対する研削面最大粗さは砥石種類によって変わらないが, 粗さ曲線の波形は砥石種類によって大きく異なる.