- 著者
-
黒沢健至
黒木健郎
土屋兼一
- 雑誌
- 研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
- 巻号頁・発行日
- vol.2013, no.25, pp.1-1, 2013-03-07
街頭防犯カメラや携帯カメラ等の増加に伴い,犯罪捜査などの警察活動における画像(映像)分析の重要性が増している.近年では,画像分析は基本的な捜査手法の一つと位置付けられているが,現場捜査員からの期待も大きく,新しい解析技術の開発も求められ業務が拡大している分野である.本報では,科学警察研究所の物理研究室でこれまでに扱った各種画像解析について,実例を交えながら概説する.特に,撮像素子の固定パターン雑音(FPN)の固有性を利用した撮影カメラの個体識別法について,その識別原理や効果的事例,さらに画像改ざんの検出へ応用できることを示す.また,マルチフレーム超解像などの画質改善処理や,幾何解析等についても我々の取り組みを紹介する.最後に,画像分析に関する警察活動の現場での問題点や,CVIM研究会等の画像工学研究者への期待を述べる.