著者
坂井 竜太郎
出版者
筑波大学比較・理論文学会
雑誌
文学研究論集 (ISSN:09158944)
巻号頁・発行日
no.21, pp.39-54, 2003-03-31

1. 古典的リアリズムの問題性 本論の目的は、近代小説における古典的リアリズムの問題点を指摘し、ジェイムズ・ジョイスのDubliners(以下『市民』)とA Portrait of the Artist as a Young Man(以下『肖像』)において、そうしたリアリズムが、どのように乗り越えられていったかを明らかにすることである。 ...