- 著者
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堅木 道夫
- 出版者
- 一般社団法人 動物循環器病学会
- 雑誌
- 動物循環器病学会学術誌 (ISSN:24325392)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, no.2, pp.23-28, 2019-12-30 (Released:2019-12-30)
- 参考文献数
- 15
猫の左室流出路のカラードプラによるモザイク所見は、肥大型心筋症に由来する左室流出路障害ならびに僧帽弁弁尖、腱索および乳頭筋の変形や肥大などが原因とされる。その一つに僧帽弁前尖の僧帽弁収縮期前方運動 (SAM) による左室流出路の動的障害があるが、SAM の発生機序は明確にされていない。今回、初診時の左室拡張末期の心筋壁は6 mm 以下で心筋肥厚は認められなかったが、左室流出路にモザイク所見を認め、その後第299 病日以降には乳頭筋肥大の顕在化そして第359 病日には心筋肥大を認めた猫に遭遇したので、その推移および経過の概要を報告する。