- 著者
-
塚尾 浩
- 出版者
- 公益社団法人 日本生体医工学会
- 雑誌
- 生体医工学 (ISSN:1347443X)
- 巻号頁・発行日
- vol.Annual57, no.Abstract, pp.S22_1, 2019 (Released:2019-12-27)
臨床工学技士養成課程では卒業年次の3月に実施される国家試験に合格するという具体的な目標に向かい学生も教員も邁進することになる。それは合格率という定量的な数値が容易に算出できるため、けして蔑ろにできないものとなっている。本校の学生は、そのほとんどが医療機関での勤務を志望するため、就職するためには必ず国家試験に合格する必要性があることを理解している。教員もまた同様である。本校の場合、4年時の後期に卒業に必要な単位として演習科目を設けており、それが実質的な試験対策となっている。学内での模擬試験を多く行うアウトプット中心の対策となっており分野ごとの正答率を算出することで自己の弱点を自覚しその補習に努めることになる。しかしながら、択一形式の結果から答えを導く過程を可視化するのは難しく、記述式とは異なりその思考過程が見えづらく理解度の判定には難渋する。学修成果の可視化は、国家試験対策のみならず高等教育の質の保証に関わる重要事項である。指導する教員のマンパワーをフル活用すれば個別指導にて可能になるかもしれないが、現実的には難しい。AIを利用した理解度判定ができればより良い指導ができるかもしれない。