著者
壷井 章克 岡 志郎 田中 信治 齋藤 宏章 松田 知己 青木 智則 山田 篤生 多田 智裕
出版者
日本小腸学会
雑誌
日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集 (ISSN:24342912)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.30_2, 2019

<p>【目的】 小腸angioectasiaの取り扱いとAI(artificial intelligence)による小腸angioectasiaの検出能について当科の治療成績から検討した。</p><p>【方法】 検討1)2007年8月~2018年3月に当科でCEかつ/またはダブルバルーン内視鏡にて小腸angioectasiaと診断(適応病変は治療)し1年以上経過観察した91例194病変を対象とした。検討2)CE画像を使用し、deep learningを用いて教育したconvolutional neural network(CNN)のangioectasiaに対する検出能を検討した。</p><p>【結果】 検討1)Type 1a(oozingなし)41例は全て無治療経過観察、Type 1a(oozingあり)17例とType 1b 33例はpolidocanol局注法主体の内視鏡治療を施行した。小腸angioectasia多発が再出血の有意な因子であったが、無治療経過観察群に再出血を認めなかった。検討2)2,237枚のangioectasiaの静止画で教育したCNNを用いて、正常画像10,000枚と488枚のangioectasiaで検出能を評価し、感度98.8%、特異度99.1%、陽性的中率84.3%、陰性的中率99.9%であった。読影時間は323秒であった。</p><p>【結論】 小腸angioectasiaのうちType 1a(oozingなし)は無治療経過観察で問題なく、AIはCE読影の負担軽減に寄与すると考えられた。</p>