著者
牧野 光一朗 志波 徹 田中 佳代 川下 友香 大島 一晃 溝田 丈士
出版者
公益社団法人 佐賀県理学療法士会
雑誌
理学療法さが (ISSN:21889325)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.73-78, 2022-02-28 (Released:2022-04-29)
参考文献数
12

[目的]本研究の目的は,人工膝関節単顆置換(UKA)術後患者の患者立脚型 qualityof life(QOL)評価と痛みおよび身体機能の関連について横断的に調査することであった。[対象]変形性膝関節症と診断された UKA 術後患者30名(平均年齢:75.1±7.8歳,男性:12名,女性:18名)を対象とした。[方法]術後2週時点の変形性膝関節症患者機能評価尺度(japan knee osteoarthritis measure:JKOM),歩行時痛,膝関節可動域,膝伸展筋力,timed up and go test(TUG)を測定した。疼痛は visual analog scale(VAS)で評価し,屈伸可動域は他動・自動の条件下にてゴニオメーターを使用し測定した。膝伸展筋力はハンドヘルドダイナモメーターにて測定した。TUG は最大速度で 2 回測定し,最速値を代表値とした。統計解析は,Spearman 相関分析を用いて JKOM と各評価項目の関連について検討した。有意水準は5%とした。[結果]JKOMと歩行時痛(r=0.70,p<0.01),術側膝伸展筋力(r=−0.41,p=0.02),自動屈曲可動域(r=−0.39,p=0.04)に有意な関連を認めた。[結語]術後早期の QOL には,痛み,膝伸展筋力,自動屈曲可動域が関連することが示唆された。