著者
大島聡史 金子勇 片桐孝洋
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013-HPC-140, no.33, pp.1-8, 2013-07-24

本稿では最新のメニーコアプロセッサ Xeon Phi(以下,Phi) の疎行列ベクトル積演算性能について述べる.Phi は高い演算性能およびメモリ転送性能を備えたハードウェアであり,様々なアプリケーションへの適用について盛んに研究が行われている.また Phi はその性能を従来の CPU 同様のプログラミング手法によって活用できることが重要な特徴・利点としてあげられているものの,実際にはアーキテクチャの特性にあわせた最適化の余地が多く存在することが知られている.一方で Phi はアーキテクチャとしても製品としても新しいものであるため,性能を十分に引き出すための知識や技術のさらなる共有が必要である.本稿では疎行列ベクトル積を対象としてPhiの性能を測定し,他の並列計算ハードウェアと性能を比較して性能評価を行う.なお本稿では Phi として先行提供版の Preproduction Xeon Phi を用いている.