著者
大庭 正美
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 = Bulletin of Seinan Jo Gakuin University (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
no.25, pp.1-11, 2021-03-31

今回の学習指導要領改訂のキーワードの一つにカリキュラム・マネジメントがある。その中核的な役割を総合的な学習の時間が担うと明示された。創設以来20年が経つ総合的な学習の時間の実践課題を踏まえ、あらためて生徒が主体的に取り組む学習とするための指導の改善が求められている。本稿では、カリキュラム・マネジメントの考えを踏まえ、具体的な実践事例を基に、特別活動との関連を中心に考えていくこととする。主に学校行事やキャリア教育との関連について考察・評価しながら、さらなる充実に向けての考え方や指導の工夫についても提案する。生徒にとって意味のある総合的な学習の時間を生み出すには、その基盤としての特別活動の充実が欠かせない。教育課程全体の力を高め、将来「予測が困難な時代」を生きる生徒に必要な資質能力を育成する上で、総合的な学習の時間と特別活動との関連は今後も一層重視すべきと考える。