著者
大森 いさみ 中橋 真穂
出版者
大阪大学COデザインセンター
雑誌
Co*Design (ISSN:24349593)
巻号頁・発行日
no.8, pp.33-47, 2020-08-31

多様化かつ複雑化する地域の課題に取り組むために、複数の大学が連携する事例が増えてきている。本稿は、武庫川女子大学と大阪大学大学院工学研究科の2大学の学生たちが協働した地域連携型プロジェクト・ベースド・ラーニング(以降、PBLと略称)のレポートである。実践の経緯をたどりながら、その内容と課題を整理したうえで、異なる大学で異なる専攻分野を学修してきた学生たちが、地域連携型PBLで協働することの教育的効果について明らかにすることを目的とする。本プロジェクトは、河内長野市と提携した産官学連携PBLでもある。学生たちは、河内長野市商工会などが主催する「奥河内フルーツラリー」に関するソーシャルネットワーキングサービス(以降、SNSと略記)を活用した広報活動と、河内長野市の農林業施設の観光資源としての可能性を検討するためのモニターツアーの企画運営を行った。本プロジェクトの成果と考察は「地方創生・政策アイデアコンテスト2018」(内閣府主催)大学生以上一般の部において、地方予選を通過し、全国審査に進む(応募総数604件のうち地方予選通過件数は21件)という評価を受けた。