- 著者
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大森善清//画
- 出版者
- 金屋平右衛門
- 巻号頁・発行日
- 1702
書名は扉中央の印刷元題箋による。京都島原遊郭の風俗を描いた横大判墨摺絵本。京都の書肆金屋平右衛門が大森善清に描かせ、元禄15、16年に刊行した「風俗絵本」と称する一連の絵本のひとつ。善清は、元禄後期から正徳期頃に上方で活躍した絵師で、西川祐信より以前に、20点以上の画帖体裁の絵本を出していることが、ほぼ確実視されているという。当館本は、扉中央の印刷元題箋に「したれ柳 上下」とあるが、書中に「上」「下」の切れ目は見られない。全23図の画帖仕立て。表紙に式亭三馬(1776−1822)自筆の貼り題箋があり、扉には同じく三馬自筆の識語がある三馬旧蔵本。他にはニューヨーク公共図書館スペンサーコレクションの所蔵が確認されているが、これには遊女名が入っており、絵の細部にも本書とは微妙な相違が見られる。稀書複製会(6期)から複製が刊行されている。