- 著者
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大橋 將
- 出版者
- 専門日本語教育学会
- 雑誌
- 専門日本語教育研究 (ISSN:13451995)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.15-18, 2010-12-20 (Released:2011-07-22)
一般的に、法律の文章は非常にわかりにくいと酷評されている。もちろん、法学初学者にとっても、この状況は決して歓迎されることではなく、初学者は昔から一様に嘆き悲しむ。しかし、法律家は、さまざまな非難にもかかわらず、この風潮を変えようとせず、かえって「法律学習の仕方」の類の書物を数多く世に送り出してきた。つまり、法律文書の晦渋さは自明の前提となっているといってよい。本稿では、なぜそうなっているのか、法律条文、判決文を素材に構造の一端を検討し、法律文理解のための指針を示す。