著者
ミットロモジュムダール ドッキナロンジョン 大橋 弘美 森 日出樹
出版者
松山東雲女子大学人文科学部紀要委員会
雑誌
松山東雲女子大学人文科学部紀要 = Annual bulletin of the Faculty of Human Sciences, Matsuyama Shinonome College (ISSN:2185808X)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.77-101, 2014-03

ドッキナロンジョン・ミットロモジュムダール(Dakshinaranjan Mitramajumdar 1877-1957)は生まれ育った東ベンガル(現バングラデシュ)で親しんできたベンガル地方の昔話に魅了され、自ら採話した昔話編纂集である「おばあさんのお話袋-ベンガルの昔話-」(Thakurmar Jhuli Banglar Rupkatha)を、1907年コルカタで出版した。 本稿では、ベンガル語のオリジナルテキストの第2部から「ニールコモルとラールコモル」と「柘榴王子」の2話、第3部から「シュクゥとドゥクゥ」の1話を訳出した。第2部の2編はお后になりすましたラッコシ鬼(羅刹)と戦う王子の物語、第3部の1編は、機織りの善良な母娘と意地悪な母娘の物語である。いずれもベンガル昔話によく登場する鳥のように足の速いポッキラージ馬、言葉を話す不思議なビャンゴマ鳥・ビャンゴミ鳥、隠された本物の命などのモティーフが散りばめられている。
著者
ミットロモジュムダール ドッキナロンジョン 大橋 弘美 森 日出樹
出版者
松山東雲女子大学人文科学部紀要委員会
雑誌
松山東雲女子大学人文科学部紀要 = Annual bulletin of the Faculty of Human Sciences, Matsuyama Shinonome College (ISSN:2185808X)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.81-100, 2016-03

ドッキナロンジョン・ミットロモジュムダール(Dakshin・ārañjan Mitramajumdār 1877- 1957)は生まれ育った東ベンガル(現バングラデシュ)で親しまれていたベンガル地方の昔話に魅了され、自ら採話した昔話編纂集である『おばあさんのお話袋-ベンガルの昔話』(Ṭhākurmār Jhuli: Bānglār Rūpkathā)を、1907年にコルカタで出版した。 本稿では、ベンガル語のオリジナルテキストの第2 部から「金の杖 銀の杖」、第3 部から「デル・アングレ、指一本半の大きさの男の子」を訳出した。「金の杖 銀の杖」は、王子とラッコシ(羅刹鬼)との闘いや王女の獲得等、お決まりのモティーフがちりばめられた冒険譚である。 「デル・アングレ、指一本半の男の子」では、指一本半の大きさに生まれついた男の子が、王様に身売りした樵の父親を取り戻すために冒険をする。ベンガル語ならではの数を表す言葉が語呂合わせのように多用されているのも面白い。Dakshinaranjan Mitramajumdar (1877-1957), who was born in east Bengal (now Bangladesh), had been fascinated by Bengali folktales since his childhood and published "Ṭhākurmār Jhuli: Bānglār Rūpkathā (Grandmother's Bag of Tales)," a collection of Bengali folktales, in Kolkata in 1907. This is a Japanese translation of two stories from parts II and III of the original Bengali text. The first one, "Sonār Kāṭī Rūpār Kāṭī (Golden Stick, Silver Stick) ," is an adventure story in which a prince fights against monsters (rakshas) and eventually marries a princess. In the second story, "Deṛ Āṅgle (One-and-a-half finger-size boy)," a very small size boy has an adventure to bring back his father.