著者
大河 原壮 古谷 英樹 長島 康祐 浅沼 成人 日野 常男
出版者
Japanese Society of Pet Animal Nutrition
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.25-26, 2005

酪酸生成ルーメン菌<I>Butyrivibro fibrisolvens</I>の経口投与よる,大腸癌の抑制効果について調べた。まず,酪酸生成能が高い新規菌株をヤギから単離した。本菌をマウスに経口投与したところ,糞中微生物による酪酸生成量が増加した。また,本菌の投与により,発癌物質で誘発した大腸前癌病変の形成が抑制された。本菌の投与区では大腸内容物中のβ-グルクロニダーゼ活性が低下していたので,このことも前癌病変形成抑制効果の一因であろうと考えられた。以上の結果から,<I>B. fibrisolvens</I>をプロバイオティクスとして利用することにより,大腸癌を予防・抑制できる可能性があると考えられた。