著者
堀口 真弓 大澤 葉子 山浦 小百合 野溝 明弘
出版者
一般社団法人 日本フットケア学会
雑誌
日本フットケア学会雑誌 (ISSN:21877505)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.208-212, 2018-12-25 (Released:2018-12-25)
参考文献数
5

【要旨】当施設の通院透析患者 172 人中,巻き爪のある患者は 32 人であり,その内,糖尿病または 70 歳以上である患者は 65.6% であった.糖尿病及び高齢者は足趾潰瘍のハイリスク群であり,巻き爪による足趾の損傷はできるだけ回避する必要がある.早期に適切な介入をすることにより巻き爪による足趾の創傷を防止することを目的に,看護師でも扱える巻き爪矯正具,巻き爪ロボと巻き爪ブロックを導入した.巻き爪ロボによる矯正では殆どの症例が処置開始初回で爪の皮膚への陥入は解除できた.多くの巻き爪症例は爪の根元から変形しており,矯正後 1 週間前後で元の形状に戻る傾向がみられたが,処置を繰り返し継続することで爪甲の弯曲は徐々に矯正され,皮膚への陥入を解除することが可能であった.透析時間を利用した今回の巻き爪矯正方法は合理的で有効な方法である.