著者
大谷 和利
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.632-638, 1999-12-01

コンピュータが単なるコンピュータからビジネスのツールや情報メディアへと進化する過程において,操作性や使い勝手の改善がその機能性以上に重要なポイントとなった。Xeroxはコンピュータの画面を日常的に存在する事物の「メタファ(隠喩)」で置き換えることでこの問題を解決しようとし,仮想的なデスクトップの上に配された書類やフォルダをマウスで操作するGUI (Graphical User Interface)の基本概念を案出する。後にGUIは,Apple社のMac OSによって細部にいたるまで洗練される形で完成され,その後を追ったMicrosoftのWindowsによって大衆化された。今後のインターフェース技術の進化の中でも,GUIは重要な要素として存続するだろう。