著者
ハーケンラート ハインツ 大貫 守健
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.1484-1487, 2006-10-01

ディーネス社による最近の「完全自動スリッターシステム」機器の開発とその技術進化には目ざましいものがある。その一つは,常に変わらない「カッテングポイント」を保持するための堅牢な機構とその制御システムである。機械的には既に数百台に実績を持つ特殊2軸(隙間ゼロ)機構と熱処理された各機械部品の組み合わせ。制御的にはPLC制御により「再研磨後の自動噛み合わせ(精度0.005mm以内)」と「連続的な側圧制御システム」である。又,位置決め機構とその制御システムは全く新しい機構により振動に強く且つ精度の高いシステムで構築されている。位置決め速度は一秒間に1,500mm且つ位置決め精度は±.0.1mm以内である(上下スリッターユニット5個から6個の組み合わせで30秒前後での設定)。<BR>その他数え切れない新しいシステムの組み合わせにより今まで起きていたスリッターでの多くのロスを減少し,同時に「多層紙のカッテング(ノンコート紙850g/m<SUP>2</SUP>,8層切り)」が可能になって来ている。又,繊細なカッテングの要求される紙質のものや新しい素材等に益々活用されて来ている。又,伝統あるドイツの刃物のメーカーとして,新しい素材による寿命の長い,切れ味の鋭い刃物の供給も続けている。