著者
大重 康雄
出版者
鹿児島女子短期大学
雑誌
鹿児島女子短期大学紀要 = Bulletin of Kagoshima Women's College (ISSN:02868970)
巻号頁・発行日
no.50, pp.27-37, 2015

第22回 APEC (アジア太平洋経済協力) 首脳宣言で 「北京アジェンダ」 を採択し 「アジア太平洋自由貿易圏 (Free Trade Area of the Asia-Pacific:FTAAP) 実現に向けたロードマップが示された. 同時に環太平洋パートナーシップ協定 (TPP:Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement) や東アジア地域包括的経済連携 (RCEP:Regional Comprehensive Economic Partnership) などの広域型の FTA/EPA が重層的に交渉を開始しておりメガ FTA の時代を迎えている. これまで日本の農水産物輸出は極めて少なく, 大幅な輸入超過となっていた. しかし FTA/EPA 交渉が加速している現状, 農林水産業も 「産業内貿易」 としての可能性を見直しグローバル・バリュー・チェーン構築するなどメガ FTA を活用した積極的な取組が望まれる. 鹿児島県は第1次産業に特化した県であるが, 豊富な食品素材の付加価値高めないままに市場に供給している現状がある. 現在取り組まれている畜産品輸出の状況や, 水産物輸出に関した先進的事業にも触れ産業の付加価値とは何かを考察し, 今後の鹿児島県産農水産物輸出の方向性について考察する.
著者
大重 康雄 オオシゲ ヤスオ Yasuo Oshige
雑誌
鹿児島女子短期大学紀要 = BULLETIN OF KAGOSHIMA WOMEN'S COLLEGE
巻号頁・発行日
vol.49, pp.65-75, 2014-03-20

本研究は, 学生のキャリアに関する意思決定を支援する方法ついて述べたものである. 研究方法として, 就職活動を控えた一般企業を進路先とする本学教養学科学生に, 夏休み明けの段階でどのような意識で, 就職を考えているかアンケート調査を行い, その不安材料・ニーズに対しキャリア支援を行い, その効果を確認する手法である. アンケート結果では, 約6割がまだ進路が不明確であり, 大まかに進路を決めている学生も含めて全体の9割が自分の就職に不安を感じている結果が出ている. 学生の就職に対する不安材料 「希望業種・職種が不明確」 および企業選択で重視する条件 「仕事の質・量が自分にあっているか」 であり, この二つは, いずれも職業選択の自分とのマッチングということに集約できる. 「VRT カード」 を使った職業レディネス・テストを試行として希望学生に実施したが, 課題への対抗策として有効なツールの一つであることが, 今回の受検者に関して認められた.