著者
吉川 慎一 伊藤 貴章 細田 悟 鮫島 剛 大鶴 礼彦 松本 太郎 山本 豊 野田 賢治郎 松本 哲夫 相澤 卓
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.337-341, 2006-05

小児包茎36例に対し,吉草酸ベタメタゾン軟膏を用いた非手術療法を施行し,早期治療成績を検討した.1)評価可能であったのは34例で,0.3~12歳,観察期間は1~52ヵ月であった.2)治療効果は全体で,著効22例,有効10例,奏功率は94.1%であった.3)包茎型別および用手的亀頭露出度別の奏功率には有意差がなかった.4)治療開始2週間目で58.8%が有効以上の治療効果が得られており,飜転指導のみで亀頭完全露出までの期間が約2ヵ月との報告と比較して,早期に治療効果が得られると考えられた.5)無効例は2例であったが,1例は4週間の塗布で外尿道口は十分露出可能となり,経過観察中である.1例は露出度・包皮口狭小部は不変で,手術施行となった.6)薬剤における副作用はなかったが,1例で治療開始1週間後に亀頭還納不可となった.容易に用手整復は可能で,その後は問題なく経過している.経過観察中に1例で再発を認めたが,本療法再開2週間で軽快した