- 著者
-
大場 健裕
小野 良輔
榊 善成
加藤 拓也
太田 萌香
藤岡 祥平
佐々木 和広
倉 秀治
- 出版者
- 一般社団法人 日本スポーツ理学療法学会
- 雑誌
- スポーツ理学療法学 (ISSN:27584356)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, no.1, pp.13-20, 2023-03-23 (Released:2023-03-23)
- 参考文献数
- 34
【目的】人工靭帯による内側膝蓋大腿靭帯再建術(以下MPFLR)および脛骨粗面移行術(TTO)を併用した症例(以下MPFLR+TTO)における膝伸展筋力の特徴を明らかにすること。【方法】MPFLR群15名,MPFLR+TTO群11名を対象に,最終フォローアップ時(MPFL群22.8±15.6ヶ月;MPFL+TTO群22.8±9.6ヶ月)の等尺性膝伸展筋力を,膝関節90度及び30度で測定し,健患差および健患比を検証した。【結果】MPFLR群では,術側と非術側の間に等尺性膝伸展筋力の有意差はみられなかった。MPFLR+TTO群では,術側が非術側と比較して,有意に低い等尺性膝伸展筋力を示した。健患比は,MPFLR+TTO群がMPFLR群と比較して有意に低値を示した。【結論】人工靭帯によるMPFLRは,良好な膝伸展筋力の回復が得られる。一方で,TTOを併用した場合,膝伸展筋力の健患差が残存し,単独MPFLRと比較して術後の筋力回復が得られにくいことが示唆された。