著者
豊田 有美子 奥津 史子 松川 高明 草野 寿之 根来 理沙 濵坂 弘毅 眞木 信太郎 遠藤 舞 松井 藍有美 大川 周治
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.115-129, 2014 (Released:2015-04-01)
参考文献数
69
被引用文献数
1 2

本研究の目的は,味覚機能検査の全口腔法とVisual Analogue Scale(以下,VASと略す)を併用し,全ての被験者が認知し得る最低濃度を基本味ごとに1種類選定することにより,1味質につき1種類のみの検査液を応用した,4基本味における味覚機能スクリーニング検査法を構築することである. 実験1では,被験者として健常有歯顎者84名を選択し,すべての被験者が認知し得る最低濃度を基本味ごとに1種類選定するための検査濃度設定について検討を行った.また,その時に感じた味の強さに関してはVASによりスコア化し(以下,味覚VAS値と略す),平均値を算出した. 実験2では,被験者として実験1で選択した被験者の中から4名を無作為に抽出し,4基本味における日内変動および日間変動について検討を行った. 実験3では,被験者として健常有歯顎者25名を選択し,実験1で求めた濃度の検査液を用いて味覚機能検査を実施し,本研究の味覚機能スクリーニング検査法としての可能性について検討を行った.その結果,全員が味を認識できた最低濃度は,甘味0.075 M,塩味0.2 M,酸味2.0×10-3M,苦味7.5×10-5Mとなり,すべての被験者が認知し得る最低濃度を基本味ごとに1種類選定し得ることが示された.また,本研究の味覚機能スクリーニング検査法を用いることにより,被験者25人中7人(28%)に味覚障害が認められた.以上より,全口腔法にVASを併用した本法が若年者における味覚機能のスクリーニング検査法として有用となる可能性が示唆された.
著者
草野 寿之 奥津 史子 松川 高明 豊田 有美子 根来 理沙 頼近 繁 濵坂 弘毅 眞木 信太郎 遠藤 舞 松井 藍有美 大川 周治
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.145-156, 2013 (Released:2014-01-30)
参考文献数
53
被引用文献数
4 2

本研究の目的は,純音ないし音楽による聴覚刺激が味覚機能,特に甘味と塩味に対する味覚の感受性に及ぼす影響を明らかにすることである. 実験1では,被験者として健常有歯顎者22名を選択し,純音が甘味および塩味に対する味覚閾値に及ぼす影響について検討を行った.聴覚刺激に用いた被検音は10Hz,4,000Hz,20,000Hzの3種類の純音とし,音の大きさは50dBに設定した.味覚閾値の検査に用いる味質は甘味(スクロース)と塩味(塩化ナトリウム)の2種類とし,各味質の濃度は0.005M,0.010M,0.050M,0.100Mとした.聴覚刺激の負荷は15分間とし,味覚閾値の検査は全口腔法を用いた. 実験2では,被験者として健常有歯顎者22名を選択し,音楽が甘味および塩味の味覚に及ぼす影響についてVASを応用して検討を行った.聴覚刺激に用いた被検音には,3種類の音楽(1)癒しのモーツァルトBEST,(2)refine 身近にできる音楽療法,(3)究極の眠れるCD を用いた.味覚閾値の検査は実験1と同様に行い,さらに自覚した味の強さをVASによりスコア化し,味覚の感受性として評価した.また,今回用いた音楽の嗜好に関するアンケート調査を同一被験者に行い,音楽刺激前と後との間における味覚VAS値の差を嗜好別に算出し,音楽の嗜好が味覚の感受性に及ぼす影響についても検討した. その結果,純音による聴覚刺激では味覚機能への影響は認められなかったが,音楽による聴覚刺激では味覚機能,特に甘味における味覚の感受性に影響を及ぼすことが示唆された.さらにその音楽に対する嗜好は甘味における味覚の感受性に影響を及ぼすことが示唆された.
著者
草野 寿之 松井 藍有美 大川 周治 奥津 史子 松川 高明 豊田 有美子 根来 理沙 頼近 繁 濵坂 弘毅 眞木 信太郎 遠藤 舞
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.145-156, 2013
被引用文献数
2

本研究の目的は,純音ないし音楽による聴覚刺激が味覚機能,特に甘味と塩味に対する味覚の感受性に及ぼす影響を明らかにすることである.<br> 実験1では,被験者として健常有歯顎者22名を選択し,純音が甘味および塩味に対する味覚閾値に及ぼす影響について検討を行った.聴覚刺激に用いた被検音は10Hz,4,000Hz,20,000Hzの3種類の純音とし,音の大きさは50dBに設定した.味覚閾値の検査に用いる味質は甘味(スクロース)と塩味(塩化ナトリウム)の2種類とし,各味質の濃度は0.005M,0.010M,0.050M,0.100Mとした.聴覚刺激の負荷は15分間とし,味覚閾値の検査は全口腔法を用いた.<br> 実験2では,被験者として健常有歯顎者22名を選択し,音楽が甘味および塩味の味覚に及ぼす影響についてVASを応用して検討を行った.聴覚刺激に用いた被検音には,3種類の音楽(1)癒しのモーツァルトBEST,(2)refine 身近にできる音楽療法,(3)究極の眠れるCD を用いた.味覚閾値の検査は実験1と同様に行い,さらに自覚した味の強さをVASによりスコア化し,味覚の感受性として評価した.また,今回用いた音楽の嗜好に関するアンケート調査を同一被験者に行い,音楽刺激前と後との間における味覚VAS値の差を嗜好別に算出し,音楽の嗜好が味覚の感受性に及ぼす影響についても検討した.<br> その結果,純音による聴覚刺激では味覚機能への影響は認められなかったが,音楽による聴覚刺激では味覚機能,特に甘味における味覚の感受性に影響を及ぼすことが示唆された.さらにその音楽に対する嗜好は甘味における味覚の感受性に影響を及ぼすことが示唆された.