著者
安倍満
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2013-CG-153, no.19, pp.1-14, 2013-11-21

局所特徴量を二値ベクトルで表現する手法について紹介する.これは,キーポイントの特徴量記述を実数のベクトルで表現せず,数十~数百個程度の 0 と 1 の列 (すなわち二値のベクトル) で表現するというものである.この方法により,計算速度・メモリ消費量の問題が飛躍的に改善されたことから,コンピュータビジョンの研究者の幅広い関心を集めるようになった.今では,SIFT や SURF に代わる新たな局所特徴量として急速に普及しつつある.本稿では,キーポイント周辺からコンパクトな二値特徴量を抽出する手法について体系的にまとめる.また,研究目的に利用可能なソフトウェアライブラリについても紹介する.
著者
安倍満 吉田悠一
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.1682-1689, 2011-07-20

本論文では,高速に計算可能であり,128ビット程度のバイナリコードで表現可能な局所特徴量Compact And Real-time Descriptors(CARD)を提案する.CARDはSIFTやGLOHと同様に,勾配ヒストグラム特徴量の一種である.提案手法は,(1) ルックアップテーブルによる高速な局所特徴量抽出,(2) Supervised Sparse Hashing(SSH)による高速なバイナリコード化の2段階から成る.本手法では,2種類のルックアップテーブルを用いることで,1つのキーポイントあたりSIFTの約16倍の速度で局所特徴量を計算可能とした.また,抽出された特徴量をハッシュ関数によりバイナリコードに変換することで,メモリ消費量を低減した.ここで用いるハッシュ関数は疎行列の掛け算により構成されているため,高速にバイナリコードへ変換が可能である.実験により,CARDは実行速度,メモリ消費量の二つの点において,既存の手法よりも優れていることを示した.