- 著者
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宋釋宗杲撰
- 巻号頁・発行日
- 1000
宋大慧宗杲撰、道謙編。付録は道行編。別書名「大慧宗門武庫」「宗門武庫」等。大慧禅師が古人の言行を説いたものを道謙が集録したもので、臨済の宗風を知るために必読の書。道行編の拾遺録は別に附刻したもの。川瀬一馬著『五山版の研究』によれば、本書の五山版には、覆宋刊本の趣をよく伝える南北朝初期刊本があるが伝本は稀少で、これを南北朝期に覆刻したかと思われる行款等が全く相似の別版も確認されているが、さらにこの2種とはまた別種の、版心下方に大陸渡来の刻工名を附刻した一本が存在するという。当館本は南北朝期覆刻の別版に相当するが、補刻の痕が多くみられ、朱点・朱引き、返り点・送り仮名が施され、全巻に書き入れが多い。明治時代の蒐書家寺田望南の印記「讀杜⁄艸堂」が押捺されている。