著者
木本 圭子 宮崎 亮一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.P35-P35, 2009

ニュートンの運動方程式によると質点に働く力が決まると質点の運動が決まるが、「変化」とは化学反応なども含めた、より広い概念である。これを記述するのが状態空間という概念であり、より一般の「変化」を考えることができる。本報ではシステムの変動とそれを幾何学的に捉える状態空間を用いて、リズムの生成を考える。<BR> 状態空間は微分方程式または写像により定義される。状態空間と変動する仕組みを表す方程式をあわせて力学系という。<BR>我々はこの変動の仕組みの内包された状態空間を表現のメディア(キャンバス)と見なしていく。このキャンバスは質的に異なる複数の状態を内包しており、システムのパラメータを動かすことで流れを制御できる。透視図法という数理が遠近法という絵画構成の手法となり、双曲幾何が平面充填パターンへと応用されたように、動的表現においては状態空間が動きとリズムの表現手法となると考える。<BR> また、状態空間の座標に変換を施すことで、リズム生成のメディア自体も変換の対象とし、動的表現の可能性を探っていく。<BR>