著者
山崎 裕康 桑田 一弘 宮本 弘子
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.317-321, 1978-06-05
被引用文献数
6 9

大量の大気を吸引できるポリウレタンフォームプラグ(PUFP)法を,ガラスファイバーフィルター(GF)を通過する環境大気中の多環芳香族炭化水素(PAH)の捕集に応用した.ハイボリュームエアーサンプラーにGF(20.3×25.4cm)と2個のPUFP(直径10cm × 5cm)を取り付けた.大気を(0.75〜0.8)m^3/min.24時間吸引し,GFとPUFP上に抽集されたPAHを水素炎イオン化検出器(FID)付きガスクロマトグラフで定量した.本方法の回収率はフェナントレンでフ9.2%,フェナントレン以外のPAHで90%以上であった.4環より少ない環を持つPAHはGFでは完全には捕集できず,これらのPAHを捕集するにはGFの後ろにPUFPを取り付ける必要がある.