- 著者
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長尾 清香
佐藤 拓也
加藤 伸一
チェン リ
宮本 有正
- 出版者
- Japanese Society of Oral Medicine
- 雑誌
- 日本口腔粘膜学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Oral Mucous Membrane (ISSN:13417983)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.1, pp.29-36, 2009-06-30
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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1
近年,活性酸素は様々な炎症性疾患との関連性が示唆されており,様々な機構によって組織に損傷を与えることが知られている。活性酸素への防御については,生体内に備えられている内因性抗酸化システムに加えて,近年では抗酸化物質に注目が集まっている。白金ナノコロイドは,平均粒径約2nmの白金粒子が分散したコロイド状溶液であり,過酸化水素等の活性酸素を触媒的に消去する新規抗酸化物質である。そこで,われわれは活性酸素由来の炎症を白金ナノコロイドが抑制するのではないかと考え,基礎研究の第一歩としてヒト口腔上皮細胞を用いた<i>in vitro</i>実験を実施した。その結果,過酸化水素の添加による細胞活性の低下及び細胞からのIL-8産生量増加を,白金ナノコロイドが抑制することが明らかとなった。本研究より,白金ナノコロイドによる,活性酸素由来の炎症に対する抑制効果が期待される。