著者
宮沢 鉄蔵
出版者
THE ASSOCIATION OF RURAL PLANNING
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.2-5, 1984

第3回学術研究発表会は, 昭和59年4月6日 ( 金 ) に宇都宮大学工学部大教室において開催された。<BR>学術研究発表会は, 午前の一般講演と午後のシンポジウムで構成されている。なお, 例年のことではあるが, 学術研究発表会の翌日 ( 4月7日 ) には, 有志の出席による学術交流委員会研究会が開かれている。<BR>一般講演は, 発表題数が今年は19編になり, 昨年の発表題数の約2倍を示す数にのぼった。発表内容も充実化し, 質疑も活発化している中で, 時間の制約から, 発表, 質疑応答の時間を十分とれなかったのは残念であった。しかし発表題数が増化してきていることは, 学会の発展にとって大変嬉ばしいことである。来年は, 一般講演を2日間にわたり開催する予定である。本年の一般講演の内容については, 本文の要旨を参照されたい。<BR>シンポジウムの今回のテーマは, " 「 水と農村計画 」―水計画の評価"である。農村において, 土, 緑とならんで最も重要な資源である水について, その利用方法を共通の場で考えてみようということである。水に関する計画は, 農村計画にとって根幹をなす計画である。水利用の研究については, 現在まで, 農業利水を中心に, どちらかというと機能別に, 或いは専門別に研究されている場合が多かった。農村の整備に関しては, 水利用は, 当然, 種々の機能の総体的評価のもとに計画されるべきであって, 学会では, その手始めとして, 研究各分野での水利用に対する考え方の相互理解と, 問題提起を目的としてシンポジウムを開催した。<BR>今週は, 水の計画を, 保水, 利水, 排水, 景観に分類し, 森林, 農業利水, 生活環境, 景観造成の各専門分野から主題解説を行い, 総合的視野で, 農業経済, 建築の分野からコメントを行うという企画をたて, シンポジウムの司会を志村博康氏 ( 東大農学部 ) に依頼した。シンポジウムの主題解説, コメント等は, 本文に詳述してある。学術研究発表会当日は, 80人をこす出席者があり, 盛況裏に大会を終了した。