著者
宮田 竜彦
出版者
分子シミュレーション研究会
雑誌
アンサンブル (ISSN:18846750)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.98-104, 2015-04-30 (Released:2016-04-30)

溶液の熱力学的安定性を議論する際,最も重要な物理量のひとつは溶媒和自由エネルギーである.3D-RISM 理論は溶質分子周りの溶媒の分布関数を記述する統計力学理論のひとつであり,分布関数から溶媒和自由エネルギーを求めることができる.3D-RISM 理論の問題点のひとつは溶質の内部自由度凍結であるが,著者らはMD 法と組み合わせる方法でこの問題の解決を試みた.また,3D-RISM 理論は精度の問題も抱えている.溶媒和自由エネルギーの高精度化のためには,LJ 項の高精度化が重要であることが既往の研究から示唆されていたが,最近,著者らはLJ 項の高精度化の糸口を見つけた.この発見は,LJ 系においてブリッジ関数の満たすべき必要条件と解釈できるものである.
著者
宮田 竜彦
出版者
分子シミュレーション研究会
雑誌
アンサンブル (ISSN:18846750)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.98-104, 2015

溶液の熱力学的安定性を議論する際,最も重要な物理量のひとつは溶媒和自由エネルギーである.3D-RISM 理論は溶質分子周りの溶媒の分布関数を記述する統計力学理論のひとつであり,分布関数から溶媒和自由エネルギーを求めることができる.3D-RISM 理論の問題点のひとつは溶質の内部自由度凍結であるが,著者らはMD 法と組み合わせる方法でこの問題の解決を試みた.また,3D-RISM 理論は精度の問題も抱えている.溶媒和自由エネルギーの高精度化のためには,LJ 項の高精度化が重要であることが既往の研究から示唆されていたが,最近,著者らはLJ 項の高精度化の糸口を見つけた.この発見は,LJ 系においてブリッジ関数の満たすべき必要条件と解釈できるものである.