著者
家口 美智子
雑誌
摂大人文科学 = The Setsudai Review of Humanities and Social Sciences
巻号頁・発行日
no.24, pp.45-62, 2017-01-31

本論は現代英語でvernacular でのみ使用され、存在文において周辺的な構造を持つX+be+NP+VP 構文(XV 文)、X+be+NP+pp 構文(XP 文)、X+be+NP+been 構文(Xbeen 文)がthere とhere を使った時(それぞれthere 文、here 文)、頻度や意味、語用論の機能上どんな差異があるかについての分析を行った。コーパス上では存在文のthere+be は直示の存在を表すhere+be と比べて比較にならないほど頻繁に使用されているが、この3 つの構文においては、there 文とhere 文の頻度差は比較的小さいだけでなく、3 つの構文の頻度は、there 文、here 文ともXV 文が一番高く、Xbeen 文が一番低いという同様な傾向が見られた。意味論的・語用論的機能に関して、there 文はthere was 以外のXV 文はpresentative な機能は主ではない。Xbeen 文はそれより若干presentative に機能する率が高い。一方、there 文のXP 構文とhere 文の全部の構文で、presentative な機能が主である。また、XP 文及びXV 文のthere 文のthere was はcome とgo が主に使われる構文である。意味上の主語である指示物が来たり行ったりという意味を表し、機能はpresentative である。XV文のthere was はthere文のXP 文に意味機能が良く似ていて、他のthere 文のXV 文とは意味論的・語用論的機能が異なる文型であると言える。