著者
宿輪 哲生 陳 文雅 小林 亜紀子
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.477-482, 2002-08-01 (Released:2010-09-02)
参考文献数
37
被引用文献数
3 2

1999年1月から2000年12月までに佐世保市立総合病院皮膚科を受診した帯状疱疹患者について統計的観察を行った。男119例,女157例,計276例で外来新患総数の4.1%を占めた。年齢別では60歳台が最も多く,20歳台に小さなピークがみられた。76.8%が基礎疾患を有し,疾患別では悪性腫瘍が最も多かった。発症3週前までの疲労を認めた患者は55.8%にみられ,20,30歳台では80%以上を占めた。発生部位は躯幹上部,頭頚部,躯幹下部の順に多く,発症より初診までの平均期間は6.0日であった。疼痛の改善率はプレドニゾロン81.6%,アミトリプティリン80.3%,柴苓湯76.8%,ロフラゼプ酸エチル52.6%だった。皮疹の改善率はトレチノイントコフェリル軟膏93.2%,スプロフェン軟膏83.3%であった。発症から皮疹消失までの平均期間は18.4日,疼痛消失までの期間は39.0日だった。発症後3日以内に抗ウイルス剤を投与された群はそれ以降の投与群に比べ皮疹及び疼痛消失までの期間が有意に短縮していた。帯状疱疹の再罹患例は22例(8.0%)であった。