- 著者
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安間 英毅
寺島 照雄
岡 義春
坂野 真士
加藤 文彦
- 出版者
- 中部日本整形外科災害外科学会
- 雑誌
- 中部日本整形外科災害外科学会学術集会 抄録集
- 巻号頁・発行日
- vol.105, pp.378, 2005
【目的】関節リウマチの肘関節の骨障害に伴う関節痛と可動域障害に対しては、骨破壊が進行した例では人工関節置換術が適応となる。関節リウマチによる拘縮肘に対する人工肘関節置換術の治療成績を検討したので報告する。【対象および方法】術前の肘関節可動域のArcが30゜以下の10症例10肘を対象とした。症例は男性2例、女性8例、平均年齢51歳(31_から_71歳)であった。機種はKudo Elbow 6肘、JACE型 1肘、Coonrad-Morrey型 3肘であった。Campbell法にてアプローチし、術中骨棘の切除や軟部組織の解離操作を十分に行った。これらの症例の日本整形外科学会肘機能評価法(JOA score)、X線所見、合併症を検討した。【結果】術後経過観察期間は平均37ヶ月(5_から_65ヶ月)であった。JOA scoreは術前平均38点から術後平均72点に改善した。疼痛は全例で消失し、肘関節の屈曲/伸展は術前平均81゜/_-_56゜から術後平均124゜/_-_28゜、Arcは術前平均22゜(10゜_から_30゜)から術後平均96゜(80゜_から_106゜)に改善した。全例で洗顔、摂食動作が困難であったが術後いづれも改善した。尺骨神経領域のしびれ、関節の不安定性、X線所見でのlooseningを生じた症例はなかった。【考察】関節リウマチによる拘縮肘に対し人工肘関節置換術を施行したが、十分な肘関節の可動域が獲得され、ADLの大幅な改善が得られた。