著者
寺澤 勉
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.79-86, 1996-05-31
被引用文献数
3

展示会は,現代のマスメディアにおいて参加型のメディアとして重視されている。とはいえ,これまでの展示会計画は,経験をもとにした手法ですすめられ,展示会を構造的にとらえた本格的な計画方法論は存在していない。本報はこうした現状を打開し,実用的な展示会計画法を追求する第一歩として,展示会の基本的構造の解明を,次のようにすすめた。1)マスメディアとしての展示特性を明らかにして,展示(ディスプレイ)と展示会(エキシビション)を定義づけた。2)ライヴコミュニケーションメディアとも言えるくくりの中でディスプレイ,広義のエキジビション,展示会(狭義のエキジビション)を位置づけ,展示メディアを分類した。3)展示会に関する既往研究を調べ,参加型の双方向情報伝達としての展示計画研究の必要性を明らかにした。4)これらの検討をもとに「展示会の基本構造」を設定し,これからの展示会計画システムの構築のためのガイドラインを明らかにした。