著者
寺西 勇
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.26-36, 2012-07-01 (Released:2012-07-01)
参考文献数
35

KDM 安全性は暗号方式の安全性概念であり,秘密鍵に依存した文書を暗号化してもその文書の秘密が担保されることを指す. 暗号方式の通常の応用では文書が秘密鍵に依存することがないため, これまでの暗号研究ではKDM 安全性は非標準的な安全性概念であるとみなされてきたが, 近年の研究により, この安全性概念が理論上も応用上も重要な概念であることが明らかにされた. 本稿では, KDM 安全性の概念とその重要性を振り返り, 近年のKDM 安全性に関する研究成果を紹介する.