著者
小寺 健太 宮地 充子 鄭 振牟
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

楕円曲線暗号の安全性は楕円曲線状の離散対数問題(ECDLP)の難しさを根拠としている.現時点で最も強力なECDLPの解読手法は,一般的な離散対数問題に対する解読手法として知られるPollardのρ法であり,指数関数時間を要する.しかし近年,SemaevやGaudly,DiemらによりECDLPに対する指数計算法が提案され,ある条件下においてECDLPを準指数時間で解読できることを示した.本論文では,Weierstrass,Hessian,Montgomery,Edwardsといった各種楕円曲線上のECDLPに対する指数計算法に注目する.互いに同型写像を持つ各種曲線においてECDLPの解読時間の違いを実験的に確認し,その原因について検討する.