著者
河岡 豊 小田 英夫
出版者
THE SOCIRETY OF RUBBER SCIENCE AND TECHNOLOGYY, JAPAN
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.961-967, 1960

加硫ゴムの日光劣化に対する保護剤として, 化学的にも比較的安定で, かつゴムに容易に溶解するイソ•プロピル•ザントゲン酸ニツケルを選んで実験し, 次の如き結果を得た. 普通硫黄加硫の場合には網状および一定方向の亀裂の発生を同時におくらせること, 過加硫になると硫化ニツケルができて加硫ゴムが変色し, 劣化防止効果も減少することがわかった. イソ•プロピル•ザントゲン酸ニツケルの耐熱老化性はあまり期待できなかった.<br>テトラメチル•チウラム•ジサルファイドによる無硫黄加硫においては劣化防止作用は認められなかった. 加硫のみについていえば, イソ•プロピル•ザントゲン酸ニツケルは硫黄加硫において, 相当強力な促進作用を有し老化防止剤と同時に二次促進剤として利用することができる.