著者
中原 仁 小田 頼政 小田 亘
出版者
岡山県農林水産総合センター畜産研究所
雑誌
岡山県農林水産総合センター畜産研究所研究報告 = Bulletin of the Institute of Animal Production, Okayama Prefectural Technology Center for Agriculture, Forestry and Fisheries (ISSN:2186831X)
巻号頁・発行日
no.3, pp.7-10, 2013-12

ウシの過剰排卵処理の簡易化を目的に、ヒト閉経期性腺刺激ホルモンの1回投与による簡易過剰排卵処理方法について検討した。1 胚の回収成績は、1回投与区で平均推定黄体数15.6個、回収総数16.9個、正常胚数13.7個であり、2回投与区ではそれぞれ16.0個、17.3個、14.7個と有意な差はなく、1回投与法でも良好な胚回収成績が得られた。2 正常胚率は、1回投与区で81.1%であり、2回投与区で84.8%と両者間に有意な差は認められなかった。3 胚の品質は、1回投与区ではAランク65.0%、Bランク9.3%、Cランク6.8%であり、2回投与区ではそれぞれ64.7%,13.2%、6.9%と胚の品質においても両者間に差はなかった。以上のことから、生理食塩水に溶解したhMGを用いたウシ過剰排卵処理の1回投与法は、良好な胚回収成績が得られることから、処理の簡易化に有効な手技と考えられた。